少し黄色みがかった歯、グレーっぽい歯など、歯の色はいろいろな色があると思います。
まさに個人差があるわけですが、その原因について書いてみました。

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よく見ると歯の色って人によって違いがありますよね?

審美歯科イメージ

「白い歯」とよく言いますが、歯の色は人によって随分違いがあります。よく見ると、黄色みの強い人やグレーがかった人、濁っている人や特定の歯だけが変色している人などいろいろですね。そこで、歯の色についてその原因を説明してみます。

黄色い歯の人

これにはいくつかの原因が考えられます。
1つ目は、加齢によるものです。これは年齢と共に歯の一番外側にあるエナメル質が透けてきて、その下にある黄色みの強い象牙質と呼ばれる層の色が反映されてしまうからです。
2つ目には、着色によるものです。コーヒーや紅茶、ワインなど色のつきやすい食べ物や飲み物は、茶渋のようにその色が歯にもこびりついてきます。またタバコのヤニも原因の1つです。これらの着色は年月が経つほど茶色っぽくなってきます。
3つ目に、歯石がたまっている場合です。歯石とは、歯の汚れが唾液中のカルシウムと結合して石のようにがっちりと歯についてしまったものです。
4つ目は歯の根が露出している状態です。歯の根の部分にはエナメル質がありません。本来は歯肉の中に埋もれているはずの歯の根が、歯周病や歯ブラシの当てすぎ、噛み合わせ不良などの原因によって歯肉が下がり露出してしまうと、その部分は黄色みの強い色が表れてきます。

グレー系の歯の人

これは、まだお母さんのお腹の中にいる頃や小さい子供のうちに病気をしてテトラサイクリン系の抗生物質を飲んだ人に見られます。この時期、歯はまだできかけの状態で外からの入ってきたものの影響を受けてしまいます。
テトラサイクリン系抗生物質の影響で、できかけの歯の赤ちゃんはグレーがかった色になって完成してしまうことがわかっています。人によっては、白っぽい縞模様がはいっていることもあります。

歯が白く濁っている人

歯の一部が白く濁っている場合、初期の虫歯の可能性があります。初期の段階では、エナメル質が溶かされて透明感がなくなります(脱灰)。
すべての歯が白く濁っている人は、フッ素の過剰摂取が考えられます。地域によっては、飲料水にフッ素がたくさん含まれていることがあります。これを長期間毎日飲み続けると斑状歯と呼ばれる特有の色をした歯になることがあるのです。
斑状歯は、白濁に限らず茶色い斑点が出ることもあります。
エナメル質形成不全という歯の先天的な欠損があります。これは、もともと歯の表面にあるエナメル質が部分的になかったり、あるいは全部ない状態をいいます。

特定の歯が黒ずんでいる人

これは、何らかの原因でその歯の神経が死んでいる、あるいは神経を取る処置をした歯です。神経が生きていなければ、その歯は死んだ歯になり黒く変色しもろくなります。
ただし、小さい子供の歯の一部が真っ黒に変色しているのは、虫歯の進行止め「サホライド」を塗布したことによる反応です。小さくて治療ができない、削るほどではないなどの場合、このような進行止めで経過を見ていることが多々あります。サホライドは虫歯になっているところにだけ反応して黒く変色するのであのような状態になるのです。フッ化ジアンミン銀という物質で、昔のお歯黒と同じような成分です。

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このように歯には様々な色合いがありますが、ここに挙げたものはごく一部です。審美歯科だけでなく一般的に歯科で使用されているシェードガイドと呼ばれる歯の色合いを見るためのものでは、同じ歯の色でもA~Dまで4つの系統の色をさらに細かく分けています。もちろん歯の色は十人十色ですので、いかにその方の歯の色に近くするかが歯科医師や歯科技工士の腕の見せ所といえます。