普通の歯列矯正は器具で固定するのに対し、床矯正とは脱着式の器具を使うようです。

成長段階にある子供の歯列矯正の方法だと言えるでしょう。

健康な歯列

床矯正とはどんな矯正方法ですか?

歯列矯正治療は、歯並びをよくすることに加えて、噛み合わせをよくしその他の全身状態までを整えることを目的としています。
歯並びをよくすると単純にいいますが、基本的にはそれには顎のスペースはそのままに歯を並べ直すか、顎のサイズを歯の並び方にあわせてあげるかのどちらかになります。
ブラケットやワイヤーを使った矯正は主に歯を動かしていく方法です。もちろん、顎のサイズを合わせる治療法との併用もありますので一概にはいえませんが、いずれにしてもスペースの足りない場所に歯は並びきれません。

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こういった顎の発育がやや足りずに小さすぎる場合の治療法の1つが床矯正です。ただし、床矯正は顎の発育が完了した大人の方にはどちらかというと不向きで、成長段階にある子供に大変有効な方法です。
床矯正では、着脱式の装置を使います。これはいわゆる義歯(入れ歯)の内側だけのような形の装置で、真ん中をネジのついたプレートで固定しこのネジを広げることで少しずつ床(土手の部分)が広がり歯を外側に押す力をかけていきます。この力を利用して顎の骨の成長を外側へ向けて促してあげるのです。

歯に接する部分にはワイヤーがあり、このワイヤーで歯の位置を少しずつ誘導します。就寝時や自宅にいる時間など人目につかない時間などを利用しながら、できるだけ長く装着しておくと早く顎が広がります。食事や歯ブラシの時には外すことができますから、負担も小さくすみますし、矯正治療で問題になりやすいムシ歯や歯周炎のリスクも少なくてすみます。

1日12時間以上の装着を目指し、状態を見ながらネジを広げていきます。自宅でネジの調整もでき、着脱式なので負担も少ないため、気軽に始められる矯正として認知されています。子供の場合、親の管理下にあるため比較的治療効果を得やすいですが、中には装着時間が短かったり忘れたりしてなかなか治療効果が挙がらないこともあります。数日装着しなければ後戻りするため、振り出しに戻ってしまうこともあります。

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費用面では、ブラケットを装着して行うワイヤー矯正などと比較すると、かなり格安で行うことができます。床矯正だけでは完全にきれいな歯並びまで誘導しきれるとはいいかねますが、ある程度の歯列不正は十分に改善できます。歯並びまでしっかり修復したい場合は、部分的なワイヤー矯正なども併用するといいでしょう。その場合も、費用は割安ですむようです。